映画

『狂気の桜』
 渋谷で生まれ育った三人組、山口、小菅、市川は、現在の日本の在り方について不満を抱き、「ネオ道場(ヒアリング)」を結成して毎夜喧嘩にあけくれ…ってそんな筋はどうでもいいんですよ。

 もの凄く簡単に言うと『仁義無き戦い』と『時計仕掛けのオレンジ』の複合品(こう書くとものすごくアレだ)。メシエ・窪塚が本格的に転びだした作品であろうと思われます。演技してんのか?

 この作品で見るべきものは二つあります。
 一つは全く恰好良くない「彼ら」を表すモチーフ。彼らを象徴する白い戦闘服や車に描かれているモチーフは「六芒の中に巴紋」。バカです。また戦闘服が恰好良くない。白装束からの連想なのか、純白の詰め襟チックな戦闘服。宮下アキラとか車田正美の漫画でよく見られます。それが実写です。笑うしかない。渋谷の街をこれらの「象徴」が闊歩することの違和感と言ったらもう。ゲラゲラ笑ってました。


 もう一つは無駄に豪華で汚いキャストです。
冒頭出てくる仕立屋は峰岸徹ですが、その後まったく出てきません。汚い。右なのか筋者なのかよくわからない組の組長は原田芳雄で、全く坊主とか組長とかそういう類の設定の原田芳雄は掛け値無しに原田芳雄。汚い。殺し屋は江口洋介ですが、恰好良くなりそうなのに全然格好良くない殺し屋です。なんというか、正しい描写だとは思うのですが正しすぎじゃないですかね。

そして!そして!この映画の一番見るべきモノ!それはメシエ・窪塚でも須藤元気でも峰岸徹(登場1分未満)でも原田芳雄でも殺し合いでもありません。
なんといっても高橋マリコです。高橋マリコ最高です(またか)。萌えとかそういう感じでさえ無いですね。綺麗過ぎて。ティーンエイジの娘っ子なんですけど、ちょっと怖いぐらい綺麗です。


 まあ2000円出して映画館で見る価値があるかどうかは微妙ですが、レンタルビデオで見るなら充分元取れるかと。アレな部分にしか心惹かれないので一般化しちゃダメですよ?