フリッカー式』(佐藤友哉)読了っと。

 人が死んでグダグダになって人が死んでグダグダになって福音が鳴って日が射し込んで人が死んでグダグダになるお話。

 近年稀に見る体力の消耗具合でした。清涼院みたいにミステリを壊したい訳じゃなく西尾みたいに物語りたい訳でもなくじゃあ何したいの?って聞いたら「好き勝手したかった」とか素で返ってきそうで凄く嫌なお話。

 最も嫌なのはもの凄く好き勝手してるだけなのに変な(そう、変な)筆力があるところ。清涼院みたいに「?」が浮かぶところ(文章的な問題のみに留まらず、人物の思考のトレース)が無かったので頭の中に流れ込んでくる情報量とそのタチの悪さに狂いそうになるようなそんなお話。

 というか上月さんはこれが大好きらしいんだけど読んだ後では「ああ、わかるような気がする」とか思ってしまう。傍観者じゃなくて体験者でいたい人なんだなぁ。そこが私と彼とを分かつ壁。そんなお話。

 いや、堪能しましたよ。ただ、普通の人がいきなりF1に乗せられたら疲れるでしょ?という、そんな