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『DOOMSDAY』津村巧
宇宙人が来襲してハイテクメカを自在に操り地球人を殺しまくります。地球人の武器はさっぱり通用しません。さてどうやって撃退致しましょう?
はっきり言うとSFのフリしたヘタ小説です。
登場人物の台詞やら余りにもある一点に集約させられたストーリー作りやら、作者の計算が透けて見えるので萎えます。天然だったらダメ過ぎるし、それも計算づくで読者に喧嘩売ってるんだったら無駄な努力しすぎです。
オマエは漫画の原作でも書いてマガジンにでも行け(最上級の罵倒)。
『池袋ウエストゲートパークⅢ 骨音』石田衣良
IWGPはドラマも好きでしたが、原作も面白いです。同じものを作らなかったことがあのドラマの勝因。石田衣良はもの悲しくて破滅的で観察者的なストーリー作りが得意な作家だと思いますが、私が最も好きなのは大部分の話はちゃんと救いがあること。「ああ、救われないんだろうなあこれ」という様なストーリーでも少し笑ってしまうようなオチを作ってくれるし、逆に勧善懲悪ものに思えてもどこかを破綻させてきます。所謂セカイ系と対極のストーリーを作れる作家。
『骨音』は四つの話で出来る短編集。オススメは「西一番街テイクアウト」で。
『池袋ウエストゲートパーク外伝 赤X黒』
主人公は借金に困ってカジノバーの売り上げを盗もうとした売れない映像ディレクター。IWGP本編の主人公、マコトは出てきません。サルとタカシは出てきます。
特別読者の裏をかいたギミックなんて存在してないし、意外な展開を見せたりもしません。でも安心して読めて満足できるって実は凄いことなんじゃないかと思う。一冊まるごとでちゃんと出来上がってる作品。