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『スローグッドバイ』(石田衣良)
恋愛モノの短編集。石田衣良は都会的な文章を書かせたら当代随一だと思う。コンクリートの様な無機質感とちょっと離れた所からのスマートな視点、「都会で道ばたの花を見つけた」ような安堵感。
印象に残ったフレーズ
きっと今は素人がプロで、プロがアマチュアの時代なのかもしれない
(真珠のコップ)
大学ではエミリー・ブロンテの研究をしている。『嵐が丘』はワイラー監督の戦前の映画も観た。ゼミの担当教授は虫眼鏡でのぞきこむように、単語ひとつひとつを分析検討していくのでちょっとうんざりしている。小説なんて流れにのってさっさと読むもので、司法解剖とは違うんじゃないかな
(ローマンホリディ)