『神戸在住』(7)

 一つの本になって、続けざまに読むと、『神戸在住』は本当にいい漫画だといつも思います。でも、特に今巻は凄かった。桂の後悔と行き場の無い恋心。書き下ろされた高校時代の逸話。離してしまった日和の手を、桂は生涯忘れないのだろうなあとか思います。

 話は変わりますが、私は記憶力が無いのです。昨日の食事ぐらいはなんとか思い出せますが、それ以前の食事を列挙しろと言われたら「忘れました」と素直に言うタイプ(正直前に自分がここで書いた内容もうろ覚え)。

 だから、連載時の日和さんの話と単行本になって書き下ろした部分の違いがはっきりわかりません。というよりは、全部を初めて読んだような気持ちで読んでいました。背景がないコマとあるコマ。虚ろな桂の内面と外から見た桂を表現をそう表現してる。「涙を流す」桂と最後に「泣けた」桂。

 私の記憶の中では、連載時には桂は最後以外、目に見える部分で涙を流してなかったのですが、実際はどうだったのだろう。ただ張りつめていく桂が痛々しくて仕方なかった記憶があるのだけれど。実際連載時も涙は流してたのだけど、私の中で「泣いて」無いと判断してたのかもしれないなあ。



リンガフランカは諦めてAmazon様のお通りだぁ!です*1

*1:まさかキーワード化されてるとは。