『オーバードライブ』(安田剛士) (週刊少年マガジン)

 久しぶりに一気買い。

 これ。面白いんです。真っ当な面白さというか。スポーツ漫画として正道。
 同じマガジンのスポーツ漫画で言えば、あひるの空より余程アツイし、余程カッコイイし、余程かわいい。


 ただ、スラムダンク世代の「漫画好き」に受け入れられるか。その世代である私にとってはとても評価に困る漫画です。だって、これ、「シャカリキ+スラムダンク」なんですもの。フレーズにしても似通ったモノを見つけれてしまうし、アツさもまずそっちを連想してしまう。そして、井上はまだしも、曽田と比べられるのは作者にとっても辛いとこだろうなと思います。でもでも。天才を描く漫画としてシャカリキに勝ててないし少年スポーツ漫画としてスラムダンクに勝ててないけど、ただ一点、恋愛漫画として相当イイです。ドキドキを上手く描いてると思う。

 

 関係ないんですが、少し前に漫画好きの女子中学生と話す機会がありました。本棚には『銀魂』『D.Gray-man』『ブリーチ』『あひるの空』と並んでいて、私は心の中で「あー。やっぱりここらへんが今の世代の最大公約数なのかしら」と思いつつ、色々質問をしました。

 よく考えれば当たり前なんだけど、改めて話を聞いてみて衝撃だったのは、その子は『スラムダンク』読んでないらしいんです。その世代では間違いなく漫画好き、に類されるであろうその子でさえ読んでいない、というこの現実。時間の流れってやつですかね。

 てなことで、スラムダンク世代が読んでも「これ、アツイ!」って思うであろう『オーバードライブ』、それがマガジンの片隅でひっそりと連載してることにちょっとビックリ。売れてるのかしら。