日本代表の時間稼ぎで進出したことについて

非難殺到の模様ですが、ルール上問題ない範囲で行った選択をなぜそこまで非難するのか。


戦略目標
  日本&セネガル:リーグ突破

戦術目標
  日本:引き分け以上orセネガルビハインド時セネガルより得失点差でセネガルより負けない時の負け
     (同時にイエロー連発しないこと)
  セネガル:引き分け以上or日本より得失点差で負けない時の負け

条件を見て分かるのは、戦前時点でセネガルは日本より立場が良くないということです
そして同時にリーグ敗退が決まっていたポーランドの戦術目標として、せめて一勝して帰りたい というものがありました。

その状態でコロンビアが先取点。日本は1点ビハインド。ポーランドの戦術目標は誰の目にも明らかで、追加点の可能性を考えるとセネガルは戦術目標を引き分け以上に引き上げざるを得ず、厳しい立場に追い込まれます。
同時にこの時点で日本は「セネガル以上負けないこと」と戦術目標が引き下がりました。点を取りに行ってカウンター食らうリスク、それを止めるためにイエローもらうリスクを考えると攻めに出るメリットが少なくなっていきます。そしてコロンビアはこの瞬間守りきれば一位抜け、リーグ敗退はほぼない状況。引きぎみでカウンターを狙うのは当たり前です。セネガルが追いつける可能性はより下がります。
戦術目標を達成するための行動選択として、セネガルはより攻めることしかなく、日本は攻めることも守ることもできた。ポーランドは勝てればそれでよい、追加点を狙う必要性が薄い。そこで西野監督は守りを選択した。何が悪いというのか。

世界のマスコミは自分の国じゃないから文句を言うのです。文句を言うならばその代わりに提言すればよい。「ボール持ってる側は何分以内にセンターラインを越えないとペナルティ。そして何分以内にシュートしなければペナルティというルールを導入せよ」と。
アメリカンスポーツの嗜好というものはとにかくスピーディなゲームであって、バスケもアイスホッケーも全てルールでスピーディになるように縛ってきました。逆に言えばルール内で何をしても非難できない、ルール内の行動を縛ることは理に適っていないのを理解しているからです。

日本人が「勝てばいいってもんじゃない、綺麗に負けた方がマシだ」といって非難するのは本当に許しがたいと思っています。
サッカー日本代表チームは日本国民のためだけにサッカーしているわけじゃない。彼らはあくまでワールドカップでいい結果を出すためにサッカーをしているのだ。敗けて得られる名誉のためにサッカーをしているわけじゃない。私たちはそれを理解した上で彼らを応援するべきだろう。